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気管支喘息について

特徴

発作性に咳、喘鳴がおきて、呼吸困難をきたします。これが反復しておこりますが、発作がおさまれば異常はありません。また、特定の抗原に対して特異的に反応し、特定の季節や環境によっておこることがあります。

経過

成人発症の喘息は完治することが困難です。発作が起こる度に肺・気管支は損傷をうけます。長期間にわたり発作を繰り返すと慢性気管支炎と同じような病態を示すようになります。喘息では発作が起こらないようにする予防が大事です。もしも原因となる抗原を全く避けることができれば、発作を予防できますが実際には困難です。喘息予防薬を用いて、発作を防ぐことが現実的な対応になります。

診断を確定するために必要な検査

  • 胸部レントゲン撮影
  • 胸部CT
  • 肺機能検査
  • ピークフローメーター
  • 血液ガス検査(動脈から採血する)
  • 経皮的酸素飽和度
  • 非特異的IgE
  • 特異的IgE
  • 好酸球

検査所見

胸部レントゲン、胸部CTでは異常はありません。発作時は低酸素血症を起こします。また、肺活量や1秒間に呼出できる空気の量が減ります。発作が治まれば元に戻ります。血液検査で特有の抗体の増加や白血球の一部が過剰に増加することがあります。

鑑別診断

肺癌の可能性を考えておく必要があります。気管支の入り口である肺門部肺癌による気道狭窄を喘息性と誤判断することがあります。他には喉頭領域の腫瘤性病変、自然気胸、COPD、気管支炎があります。症状も違いますが、画像検査で鑑別がつきます。

治療

吸入薬、内服薬、貼付剤による発作の予防や治療が主体になります。

発作治療薬 発作が起こったときには使う。
長期管理薬 発作が起こらないようにする。

具体的には気管支拡張剤、ステロイド、抗アレルギー剤です。剤型はそれぞれ内服薬、吸入薬、注射剤があります。発作治療薬は効果発現が早くすぐに効きますが持続性がありません。長期管理薬は発作があってもなくても服用します。

予後

気管支喘息では毎年日本中で約3000人が亡くなります。ほとんど未治療または治療放棄の方たちです。執筆中に亡くなった京都の有名な女性作家もいます。薬剤による副作用で手が震えることが嫌だったそうですが、副作用の少ない投薬方法があります。

肺炎の予防

喘息治療薬の一部です。

ステロイド

吸入薬 フルタイド、オルベスコ
経口薬 プレドニン、リンデロン
注射薬 プレドニン、リンデロン、ソルコーテフ、ソルメドロール

気管支拡張薬

吸入薬 サルタノール、セレベント、テルシガン、スピリーバ
経口薬 テオフィリン、ストロベント
貼付薬 ホクナリンテープ、ツロブテロールテープ
注射薬 ネオフィリン

吸入ステロイド+気管支拡張薬

アドエア、シムビコート

抗アレルギー薬

内服薬 ロイコトリエン拮抗薬オノン、アコレート、シングレア

抗IgE 抗体薬

ゾレア 2 週間または4 週間ごとに皮下注

小児期に喘息がなくても、成人になってから発症することがあります。喘息と言われていたが肺門部肺癌であったこともあります。