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COPD(慢性閉塞性肺疾患)について

COPDは息が吐きにくくなる疾患です。肺気腫と慢性気管支炎を合わせた概念です。喫煙者の肺(Smoker's lung)ともよばれ原因の大半は喫煙です。肺気腫は肺胞の壁がこわれて堅くなり、肺が使い古しのスポンジ状になってしまう疾患です。慢性気管支炎は痰が増えて気管支の内腔を狭くするため呼吸しにくくなる疾患です。喫煙はこの両方を同時に引き起こします。また、他人の煙をすうこと(いわゆる間接喫煙)も原因になります。

症状

咳、痰、運動時の息切れ

原因

喫煙、大気汚染、職業性曝露
遺伝性肺気腫もあるが日本人には稀

検査

  • 胸部レントゲン撮影
  • 胸部CT
  • 経皮的酸素飽和度
  • 肺機能検査
  • 動脈血血液ガス分析(動脈から採血する)

所見

胸部レントゲンで肺容量の拡大、気管支壁の肥厚を示す。
肺機能で閉塞性障害のパターンを示す

治療

禁煙

絶対に必要。
夫が重度喫煙者であれば夫の禁煙または家庭内分煙が必要になる。

気管支拡張剤

吸入剤、内服、注射がある

去痰剤

クリアナール、ムコダイン、ムコソルバン、ビソルボンなどがある。
去痰剤はそれぞれに性格が違うので用途により選ぶ。

抗生剤

クラリスロマイシン、エリスロマイシン、クラビッド

ステロイド

吸入剤、内服

重症になると酸素療法が必要になります。在宅酸素療法が適用されます。
在宅酸素療法は自宅で酸素吸入を行うために健康保険が適用される制度である。システムは酸素発生器(濃縮器)と酸素ボンベからなります。液体酸素を使うこともあるが安全性の面から設置するための住宅条件が厳しくなるため、実際の運用では酸素発生器の使用患者が大部分を占めます。薬局で購入できる酸素ボンベでは数分しか保たないので常時、酸素吸入が必要な患者には不十分です。

予後

禁煙をしてCOPD治療薬の使用を開始すると劇的に症状が改善することがよくあります。ここで油断して喫煙を再開すると直ちに症状が再燃します。COPDは完全に治る疾患ではありません。呼吸状態を良好に保つためには継続的努力が必要です。禁煙と適切な治療を続けましょう。